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読書感想文アーカイブ 秋山瑞人


■ 猫の地球儀 1〜2巻

 SF。ライトノベル。  微妙な……。  ネットでやたら評判がいいが、それほどのものかどうか……むう。  設定は詰め込みすぎて意味がわからないところもあるし、かといってストーリー 自体は単純な方だし、説明のされていない部分が多いし、造語が多すぎる。  どうもライトノベルは造語が好きみたいだな。説明しろっての。

 ラストシーンの「海が(空白)」も、栗本薫が「魔都」でやってるしなあ。あっ ちの方が効果的だった。最後の最後、ロボットが何年もじっと地球を見上げ続ける 場面はまあ、よかった。  ただ、この世界におけるロボットの存在がよくわからん。  あと、戦闘シーンが無駄に多い。  ところどころ、文がワープしても意味がなんとなく分かるのは、ある意味テクだ し、センスもあるんだろうな。  いかにもマニア受けしそう、ということで。  あとイラストが激しくイヤ。

■ 鉄コミュニケーション 1〜2巻 

 SF、全二巻。  最終戦争後の地球、一人生き残った少女と彼女をまもって暮らす五体のロボット の、奇妙なほのぼのとした日常。それの崩壊と蘇生。  なんつうか、評価しにくいのう。  この人のロボット感がわからない。血を流し涙を流し痛みを感じ恐怖を感じ意識 をもち意思をもつ食事をし性交渉の可能なそれは、ロボットなのか? まあ、どう でもいいんですがね。

一巻は、微妙だった。狙いが鼻につきすぎている感じ。  が、二巻は、まあまあよかった。設定明かしが色々あったので、なかなかに殺伐 としていて。ことに四肢を切断され食われ、胴体は性欲を満たす道具とされるくだ りは、1ページていどにさらっと流されているが、わりと圧巻。まあ、エロゲーく さいがね!くさいがね! 中盤は盛り上がり、ラストの直前はなかなか感動的になっていたが、ラストはあ まり感動的でなかった。どうかと思った。(追記・と思ったが、あとで思い返すに当 たっていいイメージの残る終わり方ではあった。バランスがもうほんの少し取れて いればこのうえなくきまっていたろうに)

 しかし、この話、原作つきなんだが、おそらく明らかに原作を(いい意味で)無 視してると思う。絶対に。元々デビューが原つきなわけなんだが、しかしなんだっ てこういう、文章にクセのある、明らかに変なこだわりのある奴に原つきをやらせ る?  特殊な単語と設定の嵐と、特異な文章に煙に巻かれるが、ストーリー自体はシン プルなもの。かつ、なにも解決していないストーリー。

■ E・Gコンバット

 SF。半シリアス半コメディ。  こりゃたまげた。
 原作はメタルスレイダーグローリーの☆よしみるなんだが、この原作による設定 等は糞。ゴミクズ。もう目も当てられない。女の子だけの士官学校って、お前なん だそのギャルゲーのようなぬるい設定は。はっきり云って、こんな設定でなんかま ともなもの書けって云われても、おれだったら破り捨て投げ捨て原作者を襲撃する ね。  それを読めるような形にしただけでもエライ。ノベライズの鑑だ。

 生徒五人の内、三人のキャラがいまいち区別がつかないが、それはページ数の問 題だろう。くそうるさい奴らがくそうるさくしている描写がうまい。バカな奴らの バカげた日常とリアルでシリアスな戦争をギリギリのところでつなげているのもき わどくきまっている。(ところどころ失敗もしているが)
 と、べた褒めしているが、別にそんなに好きではない。が、これは元々この路線 がさして好きではないのが原因で、作者のせいではない、と思う。  ただ、SF用語で煙にまきすぎだし、ちょっとごまかしてる部分はあるな。

■ E・Gコンバット 2

 SF。  今回は相当煙に巻かれた。なんだこれ?
 途中、なにいってるんだかわからねえよ。はいはい、おれがバカなんですよ。  基本的に、コメディ小説では笑わないわしなんだが(ニヤッとすることはある。 というかぼくは変態なので声に出して笑うよりもニヤッとすることのほうが多い し、好きだ)、不覚にも二回ほど笑ってしまったので、きっとギャグとしては優 秀、なんじゃないかなあ。 キャラ分けもずいぶん明確になってきたし、途中から サスペンス的な、先の展開を故意に想像させるような書き方をしており、それが完 全に成功したとは云いがたいが、平易に書かれるよりは面白くはなった。

ただ、物語がどこに着地したいのか、いまいちわからんな。色々詰め込みすぎ て、わけがわからなくなっている。  やたらガンパレを思い出したんだが、元ネタの一つ? それともこういった系統 のデフォルト作品があるのか? 無知なんでよくわからんだよ。  ところで、なんでSFマニアの方々って、遠心力をコリオリ力って云いたがる の?

■ EGコンバット 3

 SF。  出だし、懲罰房に入れられるくだりはよかった。よかったというか好みだった。 ひざを抱えてうずくまるだけのスペースしかない独房、超・萌える。  えー、つまり私はマゾですか?

 まあ、面白かった。物語の終着点も見えてきたし、本筋をタイトに進めながら、 文章に遊びを忘れないのはすごい。ただ、いまいち戦闘シーンが理解出来ない、と いうか、敵の姿、自分のメカの姿、どうにも両方理解できないし、イラストにもま ともに書かれちゃいない。おかげで脳内戦闘シーンはガンパレだ。まあ、遠くない と思うが。
著作の中で一番萌え小説めいた設定のくせに、一番萌えから遠いところにあると いう珍妙な作品。この萌えに限りなく近くて遠い状態ではちっとも泣かず飛ばずの 売れない人間であったのが、「イリヤの空〜〜」から萌えに特化され、突然売れる ようになったあたり、この世の真理を見ると同時に、ほんのわずかに設定をずらし 焦点を変えただけで文体も雰囲気も変えることなく見事に萌え小説に変貌させて見 せた作者の力量に驚愕せざるを得ない。

 マニアに「感動する感動する」云われているが、たしかに感動的なシチュエーシ ョンもあり、いいセリフもあるんだが、それがいつも唐突に入ってくる。だからび っくりするだけで感情につながらない。もうちょっと感動させようとしてもいいん ではないかな。(ただし、この唐突な一文の出現が、ギャグとしては秀逸な効果を 得ているので如何ともしがたい)  まあ、なんにしても、次巻で完結予定なのに、永遠にそれが出ないのはなんとか して欲しい。
 ところで、これの話のあとに、メタルスレイダーグローリーが来るらしいのだ が、あんなパチモンSFにつながっていいのか? というか、あのゲーム、くそつ まらんぜよ。ストーリーもゴミだし。

中間総括。

「イリヤの〜」「猫の〜」はどうにも狙いが鼻に つくし、イラストがキモかったので評価しにくかったが「鉄〜」「E・G〜」はそ られに慣れたこともあって、ずいぶんと面白く読めた。マスターベーション的なS F的単語の連発もなれた。そして適当に流すことにした。そしたらなかなか面白い ことがわかった。全体から漂うキモヲタっぽい雰囲気をなんとかしてくれたら好き になれるかもしれない。なれないかもしれない。でもぼくもキモヲタですから。

■ イリヤの空、UFOの夏 2

 長編シリーズ。SFぽ。ライトノベルぽ。
 まあ、上記にひきつづきボーイミーツガール物、ついでに夏休み物なわけです が、それにしてもホントにイラストはなんとかならんのか。こう、無駄にケツがぷ りっと。
 なにぶん1巻読んだのがはるか前だからなあ。  いや、わりと面白いよ? こう、ベタですが。  賭けてもいいが、水前寺部長の元ネタはななこSOSの四谷だ。作者SFヲタっ ぽいし。あるいはアールの鳥坂先輩もはいっているやもしれぬが。で、いずれにし ても、イラストがおかしすぎる。ただのさわやかスポーツマンだし。なんだこれ は。

■ イリヤの空、UFOの夏 3

 なんか3巻。  学園祭。鉄板で受ける題材ですな。
 そもそもオタクの子達は、実際の学園祭ではなにもしないくせに、どうも学園祭 になにか憧憬を持っているらしくて、で描かれ方はいつもすごい騒がしくてカオス でフォークダンスしちゃったりしてそして祭りのあとはちょっと寂しかったりして もうなんていうかビューティフルドリーマーというか。  いや、面白かったとは思うんですがね。  特にこの作者は、バカなやつらのくだらんバカ騒ぎを書くことに対して、なにか 異常に才能があるようで、学園祭のバカ騒ぎ具合は素晴らしい出来だと思います よ。  ただ、それだけというか……

■ イリヤの空、UFOの夏 4

 なんか最終巻。  ストーリーがやっと進んだ。
 というか、話的には一冊でもいけるというか、しかしまあ、オチ的に「いかに学 園生活をすばらしく見せるか」が作品の肝なので、仕方ないか。長さ的にはこの位 がベストなのかもな。  まあ適度に爽やかで適度にお涙ちょうだいで適度にSFで適度にラブストーリー で適度に笑えて、まあ、文句はないんですけどね。ええ。イラスト以外は。  いやまあ、いい話でしたよ。きっと。


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