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読書感想文アーカイブ 茅田砂胡


■ スカーレット・ウィザード 1〜5巻

 SF。傑作。  少女向けライトノベルといった感じ。  主役の二人、海賊王ケリー、女王ジャスミンに魅力があり、テンポよく読ませ る。夢中になれた。  反面、二人がいない場面は冗長で、はっきりとつまらない。悪役に魅力がとぼし いのはどうか?

■ スカーレット・ウィザード外伝

   SF。良作?  一冊で35年もの月日を描ききるダイナミズムは面白いが、いかんせん外伝と銘 打っておきながら「続く」といった形で終わっているのがなんとも…… 続編の主役、ルゥが出てくるが、微妙。受け側の美少年といったタイプだが、ど うもこの作者は攻めキャラはうまいが、受けキャラは下手。よって、ジャスミンの 不在をうめるには不十分な役である。  じいさんになっても変わらないケリーは魅力的。

■ デルフィニア戦記 1〜4巻 コーラル奪回編

 ファンタジー。良作。  雰囲気はグイン・サーガ中期(陰謀編あたり?)を二回りほど軽くした感じか。  メジャーデビュー作らしいが、なるほど、つたない部分が目立つ。文章が単調 で、特に「〜〜(感情)な〜〜(人名)である」という表現が多用されているが、 これを見るたびになんか肩の力がカクーンと抜ける。戦いの描写がうまくもなく下 手でもない。陰謀も、まあ妥当なところ。  あいかわらず、主役二人の魅力によるところが大きいんだが、リィはそこそこ魅 力的に書かれているものの、今度は相方の放浪王ウォルが物足りない。善良すぎて つまらない。悪人や無邪気なキャラはかけるが、善人はうまくかけないのだろう か?とにかく善良になればなるほどつまらないキャラに。  四巻まででうまくまとまっている反面、この先の展開にわくわくする気持ちがも てない。小さくまとまってしまっている感じ。  それでも地力はある作品で、テンポと勢いはあるから、読ませる。  しかし、結果として、グイン・サーガがどれだけ偉大な作品かわかった気がす る。

■ デルフィニア戦記 5、7、8巻

 ファンタジー。  なんか、面白くなってきたかな。わき役を書くのがうまくなった感がある。  けど、肝心の主役の王様がどうだろ? 理想の男性なのかもしれんが、つまらな すぎるか。これ系がのちに昇華してケリーになるんだろうが、いや、ジャスミンの 方なのかな?まあ、なかなか楽しく読める。風呂敷も広がってきたことだし。た だ、グインの影響がちらほら見えるのは、いたしかたないことなのか?女キャラの 魅力のなさは栗本薫を上回ることはなはだし。受けキャラがとことん書けないんだ な。まあ、いいんだけど。

■ デルフィニア戦記 9〜14巻

 ファンタジー。全十八巻。  ようやく中盤が終わったというところか。  大体、話の全貌というか、落ち着きどころがわかってきたが、なんか、けっこう ちっちい話なんだな。魔法惑星ボンジュイのこととかは、ほとんなしで終わりそう だ。ちょっとがっかりだ。
 あいかわらず、グインの廉価版という感じはぬぐえない。安定感はあるんだが、 小さくまとまった一品という感じ。主要キャラが死んだり、ひどいことになったり しないから、なんか嬉しいようなご都合主義なような。さすがに、一ヶ月囚われて 拷問されても、五体満足というのはあんまりだよな。義父は脚が焼け爛れてたのに さ。 まあ、結局、三国間の戦争が終わって、それで完結っぽいな。なんという か……。

 ちょっといっぱい読んだので、メインキャラごとに感想を書いてみるか。たいが いのキャラの顔が、ほかのマンガやアニメ、ゲームのキャラに見えてしまうのだ が、ついでにそれも書くか。

 リィ……ちょっと超人すぎるが、まあ、いいか。着飾ると超美人というのはやり 過ぎな気もするが、まあ仕方ない。しかし、かみ殺すってそこまで衝撃的か? べ つにあれほどの超人ならそれをしてもたいしてショックを受けないと思うんだが。 これは、珍しくイラストのままのイメージだな。つまり、そこまで美人には見えな いわけだが。

 ウォル……あいかわらず、中途半端。ザコには無敵だが、強いやつらに無力とい うのがどうだろ。ドラゴンボールでいうとピッコロみたいな感じ? 役に立つのか 立たないのか……。キャラ的なイメージは、イラストとは明らかにちがうんだが、 しかしなんかイメージできない。ポーラとの恋愛部分は、ちょっと適当すぎる気が する。

 シェラ……なんかなあ。メインキャラで、作者にも寵愛されていて、出番も多い はずなのに、なぜこんな中途半端なのか。女装しているが男である、という設定は いらない感じ。もう女でいいじゃん。ヴァンツァーとの絡みともども、ストーリー にあまりいらない気がするが、どうか? このキャラも、イラストとは明らかに違 うんだが、いまいちちゃんとイメージできない。しかし、メインキャラほどイメー ジできないというのはどうか?

 バルロ……ナリスの従兄弟ベックと同じ立場なわけだが、こっちは出番が多い な。やたら多い。皮肉屋らしいが、あんまりそうは見えないのがどうだろ。なんだ かんだ云って善人なのがいけないのか。これもイメージしにくいが、どちらかとい えばアンジェリークのオスカーみたいな感じ。

 ナシアス……こいつ、いらね。こんなに優等生に書いてどうするのさ? 顔は、 エスカフローネの、アレンだっけ?先輩似の騎士団長。あれに見えてならない。

 エンドーバー夫人……こいつも、いらね。キャラとして薄すぎ。ゲストキャラと してならともかく、準レギュにするようなキャラにはとてもとても……。なにもイ メージできん

 ガレンス・アスティン……二人ともFF9のスタイナーに見える。あとルカナン も。それだけ。

 イヴン……これはイラストのままだ。珍しく。ただし、服は黒尽くめって感じが しない。なんか、ファイエムの傭兵にいそうな顔。キャラ的には、まあ可もなく不 可もなく。

 ジル……ハーディン。

 ロザモンド……わりと好き。まあ、男装の麗人に弱いだけだが。なんか、はつあ きこの雨柳堂シリーズの、準レギュの女の子みたいに見える。

 ドラ将軍……幻水2のキバ将軍。

 シャーミアン……リギアの廉価版。ちょっと廉価しすぎ。どうでもいいのよ、や っぱり出番は多い。イヴンに惚れた経緯がほとんどないというのはどうか?

 ゾラダス・ミンゲ……バール将軍。

 ヘンドリック伯爵、アヌア侯爵……なんか存在的にもキャラ的にも区別がつきま せん。そして、顔はなぜかZガンダムのブレックス准将に見えます。

 レティシア……バケモンぶりはなかなか悪くない。が、こいつのせいでヴァンツ ァーの存在意義ってまるでなくなった気がするんですが。まあ、いいキャラである ことにはちがいない。美形というのはいらない気がするんだがな。顔は、あれだ。 PSOの、フォニュエールだっけか?男魔法使いに見える。がにまたでよたよた歩 いてる感じ。

 ファロット伯爵……トレーズ。

 まあ、だるいからこんなもんでいっか。  とにかく、味方に人死にやらがあんまりにも出ないので、戦記物としてはどうだ ろうね。

■ デルフィニア戦記 15〜18巻(完)

 さて、久しぶりに長編シリーズを読み終えたわけだが……  正直なところ、がっかりというか、なんか肩透かし食らった感じ。あまりにもひ ねりがなく、そしてあまりにもあっさりと終わったもんだ。こんだけ長々と読んだ のに、ちっとも壮大な感じがしないのはなぜだろう?   正直、とくに理由はないけど迎えが来たから帰る、では納得が……  最後まで、メインキャラは誰一人死ぬこともなく、ひどい目にあうこともなく、 予定調和のうちに終わった。のはいいんだけど、そのわりに最後の盛り上がりに欠 けまくり。どうせならモンテクリフト伯ばりの、もったいつけた終わり方をしても いいとおもた。  長いのはいいが、無駄に長い気がしたな。この話の規模なら、全十巻が妥当なと ころだろうに。

 さて、いずれにしろ、この作品には思うところが多かった。  基本的に、グインのパクリなハイファンタジーのわけだが、大きく劣っていると ころがある。  文化が見えない。  食事にしろ、おしゃれなどにしろ、どうにも現代的な感覚で書かれすぎている。 ファンタジー特有の華美さも、薄汚れた感じも、どちらもない。そのため、どうし てもコスプレパーティーめいた感じが抜けきらない。ハイファンタジーとしてはギ リギリといったところか。しかし、メインが群雄劇にあるのだから、かまわないっ ちゃかまわない。  んが、その群雄劇だが……悪役が薄い。よって、勝てて当然という気がする。悲 惨の人がいない。よって、群雄劇としては全然不完全。成功者の裏の失敗者、戦勝 国のかげの戦敗国、そういったものを書いてはじめての群雄劇だと思うのだがな あ。

 うーん。  最終的な評価は、佳作といったところか。悪くはないし、読んで損も無いと思う が、もう一度読みたいという気にはなれない。
茅田砂胡はキャラに頼りすぎなため、すぐに怪しくなる。ファンタジーよりはS Fの方が向いてはいると思う。(魔法でドッカーンよりもミサイルバッコーンの方 が似合う。剣でチャンバラよりもレーザーブレードでビュオンビュオンのほうが似 合う。極彩色の似合う人だから)ケリィとジャスミンの話は読みたいが、他の話は 正直考えてしまう。

■ レディ・ガンナーの冒険

 ファンタジー。長編。  微妙。この作者の中では一番つまんなかった。  長編とも一発ネタともつかないノリになってしまっているのが、あれだ。  動物好きなのか、マンビーストの描写はまあ良いんだが、アクションシーンがわ かりにくいな。あんま面白くないし。  なんか、仕事で書いた感じ。スニーカーが少年向けレーベルだから、へんに意識 したのか? ともかくも、この人は一冊でまとめる能力は皆無だな。  キャラがいっぱい出てきたわりには、魅力的なのはいなかった。悪役がとってつ けたようなのはいつも通り。

■ レディ・ガンナーの大追跡 上下

 ファンタジー。シリーズ第二作目。  佳作……かな。でも一作目よりぐっと良くなった。シリーズ物として決定したた めか、世界観にも奥行きが出てきたし、わき役もマンビーストがいっぱい出てきて おかげで、ずいぶんとにぎやか、かつ良くなった。  アクションシーンもわかりやすくなってたし、村人の身勝手さに嫌な気にもなれ たから、感情移入もできたんだろうな。  が、全体的に良くなったのに、どうも主役級のキャラが……。これはただの好き 好きかもしれんが、しかし主役がうすっぺらい。そのまわりも。おかげで、道具立 てや雰囲気はいいのに、いまいち吸引力に欠ける。  しかし、美形ばかりなのはどうにかならんか? さすがに多すぎる。わき役まで 美形だらけにするのはやりすぎかと思うが。美形は希少価値ですからな。

■ レディ・ガンナーと宝石泥棒

 ファンタジーシリーズの、えーと第三弾。  んー。  んんんんんん。  えーと、もうこのシリーズやめたら?  いや、つまらなくはないんだけど。  つまらなくはないんだけど、続けてどうなる話でもないのでは……

■ 桐原家の人々 1.2巻

 ホームコメディというかホーモコメディというか……  んー、微妙だな。良作というには引っかかるが、嫌いじゃあない。佳作と良作の 間くらいか。  まずは、たったこれだけの話を丸二冊も書けるところがすごいっちゃすごい。  今回、珍しく女キャラが立っていた。猛はいいし、まあこも悪くない。逆に、男 キャラが弱かった。都とか、あざとすぎてちっとも萌えられねえ。主人公も凡庸す ぎるし。  冷静に考えると、ただ単にきつい性格のキャラがうまいんだな。ていうか、それ 以外がだめというか……。

■ 桐原家の人々 3.4巻

 ホームコメディ。  3は、まあ佳作と良作の間くらい。  わるくないが、物足りない。  4は、これはだめだ。前半は完全にいままで説明していたことの書き直しだか ら、退屈。後半は友情の芽生え方がちと雑把だし。  4巻という長さが中途半端か。

■ 暁の天使たち 1巻

 え、えすえふ?  ファンの間で一瞬にして作者の名声を貶めた問題作みたいですが。  まあ問題作でした。  でも思ったよりは楽しめた。  でも飛ばし読みした。  話を要約すると、作者のデビュー作「デルフィニア戦記」で作者に寵愛された五 人のキャラが、SF世界に甦って学園生活送っちゃうよ。そうしているうちに作者 の人気シリーズ「スカーレット・ウィザード」の主役二人もでてきちゃうみたいで こりゃ夢の饗宴楽しみだねワーイ。という話ですが、あまり無理するな。いくら同 人あがりの作家とはいえ、自作の同人はじめたら終わりだぞ、などと思うのはみん な同じみたいで、すでにファンの皆様から叩かれ「ちがうもん! 最初からこうす るつもりで前の話も書いてたんだもん!」的な言い訳が一巻であるこの本のあとが きに書いてあるあたり、ああ、おれはなんだってこういう因果な救えない奴ばかり のファンになってしまうんだと嘆くことしきりですが、皆様いかがお過ごしです か?  でもとにかく表紙だけはいただけない。まあ絵柄についてまでは云々云わぬが (そもそも沖麻美也の時点でかなりどうかと思ったし)イラストレーターを決めた 理由が、作者がネットしているときに「このイラスト、あたしの作品の主役にぴっ たし! 絶対あの二人よー!」と思い込んで無理いって頼んだらしいのがもうとて もげんなりで、さらに評判が悪かったのか二巻からは唐突に別の人になっててもう ゲンナリストですよ兄さん。なんだっておれはこんな奴ばかりのファンに(以下 略)

■ 暁の天使たち 2巻 神々の憂鬱

 えーすーえーふー。  だるい。  作者自身があとがきでも書いているが、ちょっといままでのお話の整理をするつ もりだったのが、だらだらと長くなってしまって話のほとんどを占めてしまった。 つまり一巻丸々、いままでのあらすじと現在の状況なわけで、これは退屈しないわ けはない。  作者の手癖だが、主要人物以外の味方を「いい人だがなにもわかっていない凡 人」と書きすぎているので、かれらメインで話が進むとイライラしてくる。  話の最終的な目的、行く末が提示されていないのも散漫とした雰囲気を与えてい る。「デルフィニア〜」も「スカーレット〜」も、一巻の時点で最終目的が明示さ れていたのでわかりやすかったものだ。  何巻続けるつもりなのかは知らないが、ちょっと出だしで手間取りすぎかな。  時に、この巻からのイラストレーター、鈴木理華と云う人の絵が、がんばってい のまたむつみに似せてみました!という空気がびんびん漂ってきていて泣ける。心 なしかサインの書き方まで似ている気がする。いのまたむつみみたいに売れっ子に なるといいね……(でも今のいのまたむつみなんて真似してどうするんだと思うこ としきり)

■ 暁の天使たち 3巻 海賊王の帰還 

 えしゅえひゅ。  まったり進行だし脇役はうざいし相変わらずなにがしたい話なのかもわからな い。  が、許す。  海賊王が帰ってきたので許す。  出番が8ページでも許す。  それくらい、復活したケリーが変わらず魅力的だったのは嬉しい。  全体的に、話が「スカーレット〜」寄りだったのもあり、また話がケリー復活に 向けてこちらを期待させるようなものだったので、気持ちよく読めた。  次巻での海賊王の活躍が楽しみである。いじょ。

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