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読書感想文アーカイブ 司馬遼太郎


■ 燃えよ剣

 長編歴史小説。  キタキタキタキタキタ、新撰組キターーーーーーーー!

 いや、しかしこれは名著だ。こんなものを見せられたらそりゃ新撰組に燃えざる を得ないさ。  ドカタさんは突っ走ったら止まらない典型的な破滅型人間で、剣も軍略も我流だ が鬼強、そのくせけっこうナイーブなところがあったりしてポエマーで、女癖は良 くないが、本当にほれた女には手も出せない、冷酷で人と人とも思わぬくせに、 時々へんに優しいと、それは燃えざるを得ないさ。  沖田も、まあ従来のイメージどおりのキャラだが、いい。(ていうか、まあこの 作品の新撰組の主要メンバーのイメージがいわゆるデフォルトになっているわけだ が)  しかし斎藤一は、なんだってあんなに最後まで土方につきあったんだろうな。ど うもさほど親しかったようでもないし、義理堅い性格でもなさそう。強くはあった が人斬りに執着していたわけでもなさそうだし、この辺、好きものだったら突付い てみたいポイントだな。ただ一つ云えるのは、うに心に出てきたアレは、なんか違 う、ということだ。

 いままで、わりと新撰組関連の話を読んできたんだが、実はどうも鳥羽伏見の戦 い以降の、晩年のへたれた新撰組のことはよく知らんかった。京都のあたりのこと はわりと知っていたんだけどね。ていうのも、負け犬時代の新撰組は魅力が薄いと いうのもあるかもしれんが(沖田、近藤も途中で死ぬし)あまり書いている作品に 出会わなかった。ていうか、そこまでたどり着いていない作品が多い。渡辺多恵子 の「風光る」はたらたらと少女漫画やってて、いまだに伊東甲子太郎がどうのこう のって場面だし、そもそもこの作者に晩年の新撰組を書く度量はなさそう。特に沖 田没後の。で、岩崎陽子の「無頼」は、池田屋事件の手前あたりで編集部の都合に より打ち切り。「最後まで書くためにこそ主人公を斎藤一にした」のに、あんまり だ。斜め読みだけど、里中満智子のもあったな。あれも最後のほうはかなりはしょ ってた気がする。で、我らが御大、栗本先生の「夢幻戦記」は、着々と巻を重ね、 なんと現在十ウン巻にして、いまだに芹沢鴨先生がご健在であらせられる。  そんなわけで、晩年の新撰組を知ることができたのは、わりと面白かった。ドカ タさん、最後まで突き抜けてあらせられたのですね。

 にしても、近藤勇。あれはなんなんだ? なんの役にも立たない単なるお調子者 で大馬鹿者の愚物ではないか。伊東甲子太郎を信用して裏切られ隊をがたがたにさ れるわ、土方に止められてるのに危険な時勢にあちこちうろちょろして狙撃され大 事な鳥羽伏見の戦いには参加できないわ、勝海舟にだまされてやっかいばらいで甲 州に飛ばされるわ、しかも田舎に帰って自慢しているうちに甲州城はとられるわ、 闘ったら最新の銃を中心にした西洋戦法にぼろ負けしてしょぼーんだわ、暴言吐い て昔馴染みの原田、永倉に見限られるわ、それでしまいにゃ勝手に降伏して死ぬ わ。こいつ、結局なんなん? こいつがやったのは京都でやたらあちこちに妾をつ くっただけ? なんで土方があんなにたてていたのかがまったくわからん。  まあ、近藤勇はともかく、普通に名作だった。いまさら云うまでもないことだけ どな。

■ 竜馬がゆく 1巻

 長編歴史小説。全八巻。長いっ!  うーん、竜馬がゆくなあ。

 なんていうかさ、確かに魅力的なんだよ、竜馬。普通にカコイイ。  んだけどさ、なんていうか、そもそもこの作品のせいなんだろうけど、坂本竜馬 的なキャラクター像ってあるじゃないか。大人物で肝が太くて人に好かれて学はな いが知略があり、ロマンを追い時運に助けられ大事を為しその後に非業の死を遂げ る。後世に名を残し若者の憧れとして心に生き続ける。  そういうのって、なんていうか、出来すぎていて好きになれない。好きになれな いというか、釈然としない。若者はみな竜馬を目指すとはよく云ったもの。若者が みな目指すものをおれが好きになれるかよ、みたいな単純な天邪鬼な気持ちも動い てこようもの。なにより武田鉄也が竜馬大好きなのがどうしても心にブレーキをか ける。あと孫正義とか。

 しかしまあ、長期連載らしく、脇役の一人一人にまで気が配ってあり、司馬遼に しては珍しく遊びの多い作品だな。まあ、あんまり読んでないけど。ことに他作品 と比べると女性の扱いが破格であり、美人だが大女の姉・乙女。勝気でお転婆なさ な子。女狐の冴。淑やかでありながら明晰かつ大胆な田鶴。みな普通に考えて可愛 く普通に魅力的で、その普通に面白いところに釈然としないのはぼくがいい人生を 送ってこなかったからでしょうか?  それらのウホッ! いい女たちにモテモテでありながら朴念仏であり、それでい て時々おいしいところをいただいていく竜馬は、実に男性読者にとって理想的な存 在であろうと容易に想像がつき、やはり釈然としない。いや、普通に面白いんだけ どさ。

 しかしモテモテの坂本竜馬よりも、情のわいた女に失望し「おれには剣だけがあ ればいいさ」と呟きながら、本当に惚れた女の前では我慢に我慢を重ねたあげく三 日三晩の愛欲にふける土方歳三の方が、どうにもぼくは好ましい。バカで。  それにしても長ー。坂本竜馬ってそれほどいろんなことをしたのかなー?(い や、したんだろうけどさ)  まあ、疲れるしぼちぼち読んでいくか。

■ 竜馬がゆく 2巻

 長編歴史小説第二巻。  ながいなあ。ながなが。
 いつもモテモテ竜馬くん、今日も男の道をつっぱしっております。  幕末時代の面白みは、現代へのつながりが濃厚に感じられることだろう。だか ら、面白く読めるんだな、きっと。例えば、竜馬が地元、土佐で出会った悪たれ坊 主、岩崎弥太郎は後に三菱財閥を起こしているし、竜馬たち郷士の敵、土佐藩上士 の中でも荒くれ者であり竜馬の暗殺も目論んだ乾退助は後の自由民権運動の板垣退 助であったりする。そこが素直に歴史の妙を感じる。板垣退助などはよくもまあ階 級差にこだわる上士の出であり、典型的な権力主義者でありながら、自由民権運動 などと言い出したものだ。

■ 竜馬がゆく 3、4、5巻

 だるだるだると読んでいるうちに五巻。  さて、いよいよ竜馬は志士として立ち、勝海舟に師事し、本ヒロインおりょうも 登場し、いよいよ脂が乗ってきた今作ですが、実は読んでから間が開いているので どれがどの巻にあったエピソードなのか混然としていてよくわかりません。
 幕府高官でありながらべらんめえな感じの勝先生は、まあ、うほっ!いい男です が、失脚する直前に竜馬に語ったセリフ、うろ覚えだが「竜馬、おれはおめえに色 んなことを教えてやって、一人前の艦長にしてやった。だが恩に着ることはない ぜ。その代わり、おれが着けてやった翼でしっかり天に羽ばたくんだ」というもの は、なんというかあまりに少年漫画的にくさくて身悶えした。なんだそりゃ。
 おりょうは、可愛いんだが江戸のさな子とキャラがかぶりすぎている。実在した 人物にキャラ立てが云々いうのもどうかとは思うが。
 余談だが「燃えよ剣」とあわせて考えると、土方と竜馬は存外に近しいところが ある。無学であるために常識にとらわれず臨機応変、それでいて理に叶った思考を し、集団の統率力にすぐれ、情熱家でありながらそれを内に秘め、剣の腕は恐ろし いほどにたつ。
 その二人の最大の違いを物語序盤において示している。二人とも女の縁で抜刀騒 ぎを起こしているのだが、竜馬はきれいな篭手の峰打ちで相手を逃がし、土方は外 道剣法のすね切りを多用し、逃げる相手を背中から斬っている。
 作者は作中で幾度も「人を斬ったものは異相になる」と言及している。結果、 数々の白刃のもとをくぐりぬけながら、終生だれ一人殺すことのなかった竜馬と、 自ら新鮮組を結成し、数え切れぬほどの人を斬った土方。物語序盤にそれを示唆す るエピソードをいれる辺り、うまいな、と思う。

 まあ、自分にしか通じぬ繰り言はさておき、なんか同じようなことの繰り返しで ダルダル。さっさと維新しちゃえって感じ。いや、史実を追っているだけなんです がね。
 板垣退助はガキの頃、隣の後藤象二郎とケンカ友達で、それはいいんだが、後藤 がヘビ嫌いだと知って、胸元に蛇をほうりこむなど、とてもすばらしいDQNです ね。でももっとひどいのは、後藤がその仕返しに、板垣がきれい好きだと知って て、その場でうんこをひり出して投げつけたそうですが、いくら時代が時代といっ てもあんまりだと思うんですがどうでしょうか? やっぱり土佐はそういう土地柄 なんでしょうか?

■ 竜馬がゆく 6、7巻

 いよいよ大詰め、ぼくらの竜馬君。
 西郷隆盛も登場。薩長連合もなり、大政奉還の案も出た。ついに維新回天が近づ いている〜というところで最終巻につづく。そして最終巻だけが手に入りません。 むかつきます。殺します(だれを)。

 さておき、どうも西郷さんはただの百貫デブのような気がしてならない。いや、 当時の外交官としては最高峰であったと作中では云ってるんだけどさ。特に、薩長 で牽制し合っている宴席で、場の空気が険悪になったとき、おもむろにまたから一 物を出して、ロウソクで陰毛を焼きだして場の空気を白けさせて事なきを得た、と いうエピソードは、もしかしてただの馬鹿なんじゃないだろうかという疑いすらも たせる。まあ、結果的にはいいんだろうけどさ。
 まあ、坂本、西郷の二人が異常に高評価されているのは、維新の立役者でありな がら不遇の最後を遂げ、他の政治家のように老醜をさらさなかったから、というの が最大の要因だと思うんだけどね。と、作品の魅力を放り投げるようなことをのた まいつつ。
 なんかさ、おりょうがむかつくのね。悋気が強すぎてさ。竜馬つぁんのお手つき になってから、ただの独占欲の強いダメ女になっている気がする。いや、ダメ女自 体は嫌いじゃないんだけどさ、どうも出てくるたびに鬱陶しい。人が天下国家のた めに奔走している最中にやれ家を買えだのやれあの女が色目をつかっただのとうる さい。しかしこれはもしかして世のサラリーマンが常日頃、女房に抱いているであ ろう不満を竜馬にも味あわせ、共感を高めようという策略であるのやも知れぬ。恐 るべしはサラリーマンキラー・司馬遼太郎。伊達におっさんたちに愛されていな い。

 ところで、竜馬にとっては政敵の一人となる土佐藩父、山内容堂。このおっさん はわりと好き。同作者の短編「酔って候」で主役を張ったこのおっさんは、表題ど おりのアル中。おまけにひどい歯痛もち。高い知性と幕末屈指の詩人の心、自らを 信長に例える強烈な自惚れと誇り、免許皆伝の腕前をもつ抜刀術と馬術を備えた、 異常なキャラ立ちのおっさんである。結果的にろくなことをしてないんだが、なん か痛快なので憎めない。これで壮絶に散ってくれれば少年漫画的に言うことなしな のだが、実際は維新後も普通に生きているので残念。
 まあ、つまり普通に楽しんでいますよってこと。

■ 竜馬がゆく 8巻

 で、やっとこ見つかった竜馬がゆく最終巻。
 大長編作品いよいよ完結。怒涛の展開と涙の止まらないクライマックスが待って いるはず……なんだけど、悲しいけど、これって歴史物なのよね。  基本的にフィクションを交えていないため、ある日突然、暗殺されてさくっと死 んだという史実のある竜馬は、やっぱりこの本でも暗殺されてさくっと死んでいま す。直前までたいしてそんな雰囲気もないのに。
 おかげで感動はさしてしなかったのが残念無念である。二、三箇所、多少、長編 を読んだ実感というか、物語の終わりを思わせ身の震える文もあると云えばあった が(具体的に云うと「街道は晴れていた。竜馬がゆく」と「この長い物語も終わろ うとしている。人は死ぬ。竜馬も死ななければならない」の一文。逆に最後の一文 「若者はその歴史の扉をその手で押し、そして未来へ押しあけた」は、「フーン」 と云った感じで、なんかあんまり)

 読む前は「坂本竜馬ってやたら英雄視されてるけど、それだけのことをした の?」という疑問があった。で、読んでみた。結果として「はて、結局それほどの ことをしてたっけな?」というものでした。
 確かに、思想は新しい。株式会社の発想や自由民権の思想など、江戸時代の武士 が考えることとしてはまったくもって新しい。が、竜馬は結局、それらの準備とし て倒幕を考え、その準備がようやく整おうかとしたときに、死んでいる。つまり、 何一つ本来の目的は達していないわけだ。会社が岩崎弥太郎に引き継がれ三菱に発 展し、自由民権の思想が板垣退助に引き継がれようと(もっとも、どうも板垣退助 は自由民権がどうとかいうわけではなく、体制に反発しないと生きていけないタイ プの人格だったようにこの小説からは見受けられる。いわゆる一生涯反抗期キャラ というか)竜馬本人は薩長同盟の仲介と、大政奉還の提案しかしていない。しかって 云ったらなんだが、しかしなんだかなあ。
 死んだのも、当代屈指の剣客でありながら、刀を手もとに置いていなかったのが 最大の原因だし、なんていうかこう、冷静に見るとわりと「犬死に?」みたいな感 がしないでもない。
 まあ、こんなことを云うのも結局、最後まで読んでも坂本竜馬というキャラがあ まり好きになれなかったという、その一点にかかっているんだろうけどね。ただし 魅力が薄いキャラかと云うともちろんそんなことはない。この大長編の中心に据え るにふさわしい好漢であると思う。ま、タイプじゃなかったんだな。なんたって 「世に生を得るは事を為すためにあり」だからね。そんなロマンチストで上昇志向 なの、感情移入できないの、あたし。

 というわけで、物語としては好みの問題であまり高評価できないが、幕末の日本 の情勢を知る本としては、読みやすく面白く非常にすばらしいと思う。  また、結局世の中を動かすのは、知恵でも力でも志なんて高邁なものでもなく、 コネと利権であるということを教えてくれるところも素晴らしい。結局、多くの人 間の思惑が絡み合う場所では、欲と欲とが錯綜し事態をややこしくしているだけな んだな。
 総合して見ると、傑作に近い良作。主人公と本ヒロインおりょうが好きになれれ ば無二の傑作と思えるかもしれない。
 だが、結局、男性原理の権力志向上昇志向ってあさましいと、思ってしまうの は、あたしが乙女だからかしら?(間違い探し)

しかしこの大ベストセラーに、いまさら感想もくそもなあ。読む前のイメージ通りの話だったし。まあ、司馬遼のふかしはすごい、と。  ホラをつきとおすこと、それが、小説家の花道。  土方さんはカコイイ。竜馬は大物。  でも二人ともわりと無駄死に。  わりとただの誇大妄想狂。

■ 最後の将軍 -徳川慶喜-

 歴史もーのー。長編。  竜馬がゆくを読んでいたら、当然のごとく幕府側の見解というのをもう少し知り たくなり、読んでみた。  が、なんか読みにくい。そしてこの時点でようやくぼくは「竜馬がゆくはバカに も理解できるようにキャラを中心に描いていた」ことに気づくのでした。  まあまあ。それはよしとして。  慶喜が好かん。おかげで読みづらい読みづらい。色々ぐねぐね考えすぎて、結局 なにもできない奴だ。大政奉還の受け入れも、なんだか面倒になったから渡りに船 と全部投げ出したようにしか思えん。その後、速攻で静岡に逃げて生涯そこから一 歩も出ずに子作りと趣味の世界に没頭したというのもヘタレ。  慶喜で感心できるエピソードは、晩年に近藤、土方のことを尋ねられたとき、黙 って涙を流し続けるだけだった、というものしかない。しかもそれはこの本ではな く「燃えよ剣」のエピソードだ。  まあ、やっぱりどう考えても幕府が滅びるしかなかったという事情の理解がいっ そう深まったから、とりあえすぜヨシとする。

■ 幕末

 幕末にあった暗殺を描いた短編ばかりの短編集。
「桜田門外の変」は、まあ普通の話かな。
「奇妙なり八郎」、清河八郎はどの観点から見てもいやな奴だな。
「花屋町の襲撃」、竜馬がゆくの感想で書きわすれていたが、海援隊にいた竜馬の 部下の陸奥陽之助というのが好きだった。皮肉屋で頭が切れて遊び人で、そのくせ 実は友達がいなくて根は実直で、竜馬にだけは私淑している姿がわりかし微笑まし かった。その陸奥が、剣などろくに握れもしないくせに、新撰組屯所に討ち入る話 なわけだが、やはりどこか微笑ましい。
「猿が辻の決闘」けっきょく、武士とはバカなやつらだ、という話。しかし小才よ りは愚直を愛すべきだろう。
「冷泉斬り」暗殺などはなにももたらさない、というこの本通じての作者の主張が よくわかる作品。冷泉が斬られるのに理由などなかった。それが虚しい。あと、こ ういう話を読むと司馬先生は女が嫌いなのかな、とか思う。司馬先生の話に出てく るいい女って、みんな肉体関係がないか、あるいはあっても一夜限りであったりし て、長い付き合いの女はみんなやな女になる。まあ「男女の仲などしょせん本能の すり寄せ合い」と断じたこともあるらしいから、仕方ないか。さりげなく同意なん だけどね。
「祇園囃子」ブスは追ってくるからうかつに手をだすなってこと。かんしゃく玉投 げカンタローの東海道五十三次かいな。
「逃げの小五郎」えーと、桂小五郎はむっつりスケベであんまり役に立たなかった ってこと?
「死んでも死なぬ」どこでもウンコできる井上聞多は大物だよ、とかいう話だっ た。最後に「この先のことは海音寺潮五郎の本「悪人列伝」に詳しいのでそちらを 読んでもらいたい」とか書いてあるのには素直にビビったりした。でもちゃんと同 じ文春文庫の作品であるあたり、憎いったらない。さすが元サラリーマン。
「彰義隊胸算用」おもしろかったな、これは。志士だのなんだのでいばっていて も、結局は人間のやること、たいていの場合は政治と商売でしかないな、とか思 う。まあ、利害のない志なんてない、と。
「浪華城焼討」死んで花実が咲くものか、とは云うが、つまり無能者でも長く生き てたらうっかりすると権力握っちゃうよ、と。若い頃の人付き合いは大切だ、と。 コネマンセー。
「最後の攘夷志士」まあ、なんつーか、結局、本気で維新志士やってたやつっての はほとんどが死んだわけで、それも無駄死になわけで、激動の時代を生き抜くな ら、心変わりの激しい信用のならない男であるしかない、と。


■ 馬上少年過ぐ

 歴史小説短編集。
「英雄児」いつもの司馬遼って感じ。才能があっても今の身分をわきまえないと 迷惑です、ということ。
「馬上少年過ぐ」伊達政宗のお話、なんで正宗が不細工やねん?と突っ込みをい れたくなる感じ。まあ、要するに名将とは名武将ではなく名外交官のことだ、と いうのが司馬先生のいいたいことなんでしょうか?

■ 花神・上巻

 歴史長編小説全三巻。  幕末の適塾、そこの大村益次郎を中心に展開される話。  蘭学のこととか当時の医学のいいかげんさとか、けっこう面白い。展開も絶妙。  主人公の大村益次郎は怪異な容貌らしいが、実際に写真を見てみたら本当に妖 怪みたいな顔をしていて驚いた。

■ 花神・中巻

 幕末の官軍総指揮官・大村益次郎の一生を描いた歴史小説。  下巻のあとがきに「途中、読書を退屈させたであろうこの長い物語〜」とある が、実にまさにそのとおりで、上中下全体でみると、まあそこそこ面白い話なんだ が、この中巻はだらけてだらけてたまらなく眠かった。  ヒロインであるシーボルトの娘、イネはなんとなく司馬作品のヒロインでは一番 いい印象。でも都合もいい印象。

■ 花神 下巻

 で、下巻。  まあ、全体的に云うと面白かった。  一介の蘭医にすぎなかった男が、その信念である合理主義の果てに、官軍の総指 揮官となり維新の総仕上げをする、そしてその直後に暗殺されて死ぬ。というの は、できすぎているくらいにできすぎている。顔の異形さもできすぎている。頭ふ くらみすぎ。超キモイです。  全体的にプロジェクトXくさかった。サラリーマンの味方という感じで。  まあ、良作かな、普通に。

。でも都合もいい印象。

■ 項羽と劉邦 上中下

歴史小説です。
とても面白かったです。
すっごく長かったです。
でもとっても面白かったです。
はい、書くのには飽きてます。
 
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